名古屋大学法学部小論文2022(令和4年度) 解答例
毎年、名古屋大学法学部の小論文では、社会科学系のテーマが出題されることが多いですね!
2022年は、人間を取り巻く「競争」に関する文章でした。
猪木武徳「自由と秩序 競争社会の二つの顔」からでした。
今回は、比較的読みやすかったかと思います!
問1、2では、傍線部について作者が考えることを説明するというもので、問3が自分の意見を論じるという出題でした。
解答例を書いてみたので、参考にしてください!!
小論文の書き方はこちらを読んでみてくださいね!
↓ ↓ ↓ ↓
【解答例】
問1
人間は生存のために合理的に行動し、効率を達成することで競争に勝つ必要がある。相手と競争して負かす遊戯もあれば、運を楽しむ遊戯などもあり、合目的性を超えた欲求から生まれる競争心もある。
このような人間の根元的欲求に基づく競争は評価や淘汰選別のシステムとして人間社会に利益をもたらすが、競争が自己目的化し目的と手段の倒錯が起こる危険性もある。競争から目的としての野心が剥離する空虚な上昇志向は現代の経済競争の中でも観察される。(210字)
問2
民主制社会において公職の選挙は一種の人気投票だから、公職は十分報われたと満足することのできないような仕事になっており、偉大な才幹や情熱を持っている人々は富を追及するために一般に権力を追い求めることに力を注がなくなる。
また、「多数」が権威となり、人間の知識や判断が均等化する傾向にあるため、多数意見に誤りがありうるといった点に関する形而上学的考察は重要な関心事でなくなり、たくさんの人々が喜ぶような意見や考えが世の中を支配する。
そして、富と知識が平均化した中産階級がデモクラシーの中核を形成するため、「権利としての凡庸さ」が政治の大前提になってしまうからである。(280字)
問3
科学研究のレベルを底上げするべく、近年、研究者同士の競争が奨励されている。しかし、巨額の研究費を得るためにデータの改善、剽窃といった不正を用いて革新的な論文を書いたり、根拠の薄い論文数を増やそうとする傾向が生じ、結果として科学研究のレベルが下がってしまっている。
以上の問題を改善するために、「民主的な」評価基準のもとで多元的に評価されることが求められる。具体的には、論文精査に第三者機関の監査を通したり、論文以外での研究結果としてその研究者の研究会への寄与を評価すること、また、研究を用いてどれだけ教育分野へ貢献しているかなどを、通常は研究者が所属する機関が個別に評価してきた活動について多くの目に触れたうえで民主的・包括的に評価する方法などが挙げられる。
こういった評価方法の多角化により、単発の不正を起こすメリットを小さくし、また、研究者層を厚くする効果を期待できる。また、未開拓の分野においては、多数の評価を得られなくとも、一部の研究者から期待される研究ならば認めるといった評価方法も、不正防止手段として有効である。
このような多元的・多角的な評価システムを併用することで、従来は評価されなかった研究を別の側面から選別でき、結果として研究が多様化し、研究競争が促進される。(537字)
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どうでしたか?
自分でも書けそうでしょうか?
小論文は添削が大事です!
また、勉強方法もあります。
単に過去問をやるだけでは、評価される文章にはなりにくいのです。
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