今回は、参考書の紹介です!
志望理由書のルール[文系編] (カンザキメソッドで決める!)
これは、東進ハイスクールや東進衛星予備校で講師をしている神崎史彦先生による著作です。
神崎先生は、「AO・推薦入試対策ゼミ カンザキメソッド」を運営もされている、小論文などのスペシャリストです。
この本のほかにも、たくさんの受験参考書を出版されています。
今回の本では、「志願理由書」の作成方法が書かれています。
が、作成方法をイチから学ぶというよりは、具体例がたくさん載っているので、それを見て自分で書いてみるときの参考にする、といった使い方が向いている本だと思います。
目次を見てみましょう!
初めに、原稿用紙の使い方や、気をつけたい表現が載っています。
しかし、それほどたくさんの紙面を割いているわけではありません。
このあたりの内容を詳しく学ぶのであれば、「小論文のオキテ 55」のほうが詳しいかもしれません。
次に、PART1です。志願理由書編です。
はじめにKDSルールというものを示しています。
このKDSルールは何かと言いますと、
「大学で取り組みたい研究を明らかにする」「研究を志す動機を示す」「大学を選択する理由を伝える」から取られているようです。
また、たくさんの回答例が載っています。
わざわざ「解答」ではなく「回答」と書いているのは、小論文には正解は無いということを表しているのでしょう。
その回答例にはどんなものがあるのかといいますと・・・
文学、心理学、外国語学、国際学、教育学、幼児教育学、保育学、生活科学、家政学、法律学、政治学、経済学、経営学、商学、社会学、スポーツ科学、体育学、歴史学、観光学、社会福祉学、芸術学、考古学、総合政策学といった感じです。
たくさんありますね!
また、PART2では、自己PR文編があります。
こちらは、TKIルールというものを掲げています。
アルファベット3文字が好きですね。
「自分の長所を率直に述べる」「長所を得た経緯を説明する」「長所の活かし方を説明する」から三文字取られているようです。
これらをもとに、またも回答例が載っています。
今回はこういった回答例!
部活動、学校生活、課外活動、私生活、自己推薦書、志願理由書+自己PR文です!
この部分は、理系編と文系編とでほぼ同じ内容になるのかと思っていたのですが、結構変えていました!
神崎先生、仕事してますね!
全体的なこの本の特徴としては、添削前の文章と添削後の文章が両方載っていて、どのあたりが駄目で、どのようにクリンナップしたらいいのかが具体的にわかるところです。
小論文などの仕事をしていると、「良い答案」のほうか書きやすいのですが、「悪い答案」のほうはなかなか書きにくいんですね。
でも、神崎先生の場合は豊富な添削経験があるので、生徒がどういう文章を書いてくるのかがわかるのでしょう。
また、推薦図書が紹介されているのもとてもいいと思います。
添削などの指導をしていて思うのが、生徒の知識が足りないというところです。
その知識には、一般常識も含むのですが、小論文を書くために知識を頭に入れないといけないという発想があまりない生徒が多いように感じます。
知識を入れるには、やはり本を読むのが手っ取り早いです。
しかし、「何を読めばいいのかわからない!」という悩みが多いですよね。
しかし、この本にように参考図書が載っていると、そういった悩みが解消されます。
いったん参考図書を読むと、そこにさらに参考図書が書いているので、もっと深めたい場合は参考図書の参考図書を読めばいいのです。
この本は、志望理由書を書くにあたって、「もっと例を見たい!」という人にとっていい本だと思います。逆に言えば、基本的な書き方はわかっている人向けの本でしょう。